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マクマリーカップリングとは
マクマリーカップリングとは、2分子のアルデヒドまたはケトンR-CO-R’を塩化チタン化合物と還元剤で処理してカルボニル基間に炭素二重結合が形成されたアルケンを得るホモカップリング反応であり、1973年から1974年にかけて、向山光昭ら、S. Tyrlikら、ジョン・E・マクマリーらの三つのグループによって報告された(i)(ii)(iii)。
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本反応はオゾン酸化の逆反応である。
反応機構
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①1 電子移動(SET)
初めに、塩化チタンと還元剤から低原子価チタンが生じ、低原子価チタンによってカルボニル基がラジカル開裂し、ケチルラジカルが生成する。
②1 電子移動(SET)
もう一分子のカルボニル基もラジカル開裂し、ケチルラジカルが生成する。
③ホモカップリング
二つのケチル基がホモカップリングし、二つのヒドロキシ基が脱プロトン化されたビシナルジオールが得られる。
④アルケンの生成
二酸化チタンが脱離してアルケンが得られる。
適用範囲
アルデヒドまたはケトンR-CO-R’
基質にハロゲンが存在していると還元剤と反応してしまうため不適である。そのほかの基質は使用できるため、基質の適用範囲は広い。また、混み入っている二置換ケトンなどでも反応は進行し、ジイソプロピルケトンのような嵩高いケトンでも反応は進行する。
塩化チタン化合物
四塩化チタンまたは三塩化チタンが用いられる。
還元剤
還元剤としては、LiAlH4やカリウム、亜鉛、マグネシウムなどが用いられる。
溶媒
有機金属中間体が溶媒和するようにエーテル系の溶媒、特にTHFがよく用いられる。
反応条件
還元剤が失活しないように脱気・脱水条件で反応を行なう。あまり低い温度で反応を行なうとピナコールカップリングの段階で反応が停止してしまうことがある。
応用例
環化反応
一般的に二種類のアルデヒドまたはケトンを用いると、ホモカップリング体とクロスカップリング体の混合物となるため、クロスカップリングは難しい。しかし、環化反応にはマクマリーカップリングを用いることができる。
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実験手順
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反応例
ベンズアルデヒドを反応をさせるとcis-1,2-ジフェニルエチレンが得られる(i)。
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シクロヘプタノンを反応をさせると1,1-ビシクロヘキシリデンが得られる(i)。
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関連反応
・ブーボー・ブラン還元
・オゾン酸化
参考文献
(i) McMurry, J. E.; Fleming M. P. J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 4708-4709.
(ii) Tyrlik, S.; Wolochowicz, I. Bull. Soc. Chim. Fr. 1973, 2147.
(iii) Mukaiyama, T.; Sato, T.; Hanna, J. Chem. Lett. 1973, 1041.
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