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本ページでは、逆二乗場
\begin{align*}\frac{\boldsymbol r-\boldsymbol d}{\vert\boldsymbol r-\boldsymbol d\vert^3}\end{align*}
の多重極展開が\(\boldsymbol d\)が充分小さいときに
\begin{align*}\frac{\boldsymbol r-\boldsymbol d}{\vert\boldsymbol r-\boldsymbol d\vert^3}\simeq\frac{\boldsymbol r-\boldsymbol d}{\vert\boldsymbol r\vert^3}+\frac{3(\boldsymbol r\cdot\boldsymbol d)\boldsymbol r}{\vert\boldsymbol r\vert^5}\end{align*}
と表されることをみる。
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前ページでは、ニュートンポテンシャル
\begin{align*}\frac{1}{\vert \boldsymbol r-\boldsymbol d\vert}\end{align*}
の多重極展開が
\begin{align*}\frac{1}{\vert \boldsymbol r-\boldsymbol d\vert}=\frac{1}{\vert\boldsymbol r\vert}+\frac{\vert\boldsymbol r\cdot\boldsymbol d\vert}{\vert\boldsymbol r\vert^3}+\frac{3\vert\boldsymbol r\cdot\boldsymbol d\vert^2-\vert\boldsymbol r\vert^2\vert\boldsymbol d\vert^2}{2\vert \boldsymbol r\vert^5}+\cdots\end{align*}
と表され、ルジャンドル多項式\(P_l(\cos\theta)\)を用いて
\begin{align*}\frac{1}{\vert \boldsymbol r-\boldsymbol d\vert}&=\sum_{l=0}^\infty\frac{\vert\boldsymbol d\vert^{l}}{\vert\boldsymbol r\vert^{l+1}}P_l(\cos\gamma)\tag{6}\end{align*}
となることを見た。
内容
スカラー場
空間または時空の各点にスカラー値を対応させた場をスカラー場という。スカラー場の例としては、温度分布や、気体や液体の圧力分布、重力場のポテンシャルや電磁場のポテンシャルといったニュートンポテンシャルなどが挙げられる。
スカラー場には、どのような座標のとり方であっても空間または時空の同一点におけるスカラー値が変わらないという性質がある。
ベクトル場
空間または時空の各点にベクトルを対応させた場をベクトル場という。ベクトル場の例としては、温度勾配や、風速や流速、重力場や電磁場といった逆二乗場などが挙げられる。
スカラー場と異なり、ベクトル場は座標のとり方によって基底が変わるため、空間または時空の同一点におけるベクトルの各成分が変わるという性質がある。
スカラー場とベクトル場
スカラー場とベクトル場との関係は全く無関係ではなく、次のページから学ぶ作用素(演算子)の勾配、発散、回転によって互いに関係が結び付けられている。
例えば、例えば、スカラー場に勾配を作用させるとベクトル場となり、ベクトル場に発散を作用させるとスカラー場となる。また、ベクトル場に回転を作用させると新たなベクトル場となる。
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