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本ページでは、特殊相対性理論において自由粒子の座標成分\(X^\mu\)の2階微分がゼロとなることを出発点とし、これを加速度系\(x^\mu\)で記述したときにゼロでなくなることを確認する。その上で、座標成分の2階微分は一般には座標系に依存するため、加速度の有無を判定する座標不変な量ではないことを示す。
内容
慣性系における特殊相対性理論
特殊相対性理論は、慣性系、すなわち等速直線運動している観測者の間で成り立つ理論である。そこでは物理法則はすべての慣性系で同じ形をとり、自由粒子は4次元時空の中で直線運動する。したがって、特殊相対性理論での自由粒子の運動方程式は慣性系\(X^\mu\)における座標成分の2階微分
で書くことができる。これは、4次元時空における加速度がゼロであることを意味しており、自由粒子の世界線がミンコフスキー時空における直線になっていることを表している。
しかし、この方程式がそのまま成り立つのは慣性座標\(X^\mu\)に限られる。なぜなら、この式は座標成分の2階微分を用いているため、座標変換を行うと一般にはその形が変わってしまうからである。
加速度系における特殊相対性理論
特殊相対性理論は慣性系\(X^\mu\)で定式化された理論であるが、ミンコフスキー時空そのものは、慣性座標\(X^\mu\)だけでなく、加速度系や回転系などの非慣性座標によっても記述することができる。たとえば、「一定加速度で運動する観測者」や「回転している観測者」なども、ミンコフスキー時空上の別の座標表示として表現できる。つまり、時空そのものはミンコフスキー時空のままでも、座標系だけを加速度運動や回転運動させることができる。その代表的な例がリンドラー座標であり、これは一様加速度運動する観測者を記述するための座標系である。
したがって、加速度系\(x^\mu\)の物理は「特殊相対性理論をミンコフスキー時空の非慣性座標(リンドラー座標)で書き直したもの」として扱うことができる。この意味で、ミンコフスキー時空における加速度系\(x^\mu\)の相対論は、特殊相対性理論の自然な拡張とみなすことができる。
ただし、ここで本質的な問題が現れる。それは、自由粒子であっても、加速度系\(x^\mu\)へ座標変換すると、座標成分の2階微分は
となってしまうのである。これは、粒子に本当に力が働いたからではなく、加速度系\(x^\mu\)では座標軸そのものが位置や時間によって変化してしまったからである。
たとえば回転座標系では、座標基底ベクトル自体が回転しているため、粒子が慣性運動をしていても、回転座標系から見るとコリオリ力や遠心力を受けているように見える。同様に加速度系でも、座標軸が時間とともに変化するため、自由粒子であっても座標成分としては加速度をもっているように見える。つまり、座標成分の2階微分は一般には座標系に依存するため、加速度の有無を判定する座標不変な量ではない。
そこで、座標系の選び方によらず成り立つ自由運動の記述が必要となる。そのような運動を与える方程式が測地線方程式であり、次ページでその導出を詳しく見ていく。
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