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本ページでは…
本ページでは、静電場の理論で登場した各単語について説明をまとめる。
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前ページでは、電気双極子モーメント\(\boldsymbol p\)が
であることをみて、電気双極子のエネルギー\(U\)が
となり、電気双極子がつくる電場\(\boldsymbol E\)が
となることを求めた。
内容
静電場まとめ
真電荷…自由に移動したり外部に取り出したりできる電荷。単位はクーロン\(\text C\)。
分極電荷…束縛電荷ともいう。自由に移動したり外部に取り出したりできない電荷。単位はクーロン(\text C\)。
源場…真電荷が作る場。
力場…電荷に力を与える場。
電束…真電荷のみから出る仮想的な線。単位はクーロン\(\text C\)。
電気力線…真電荷と分極電荷から出る仮想的な線。単位は\(\text N\text m^2\cdot\text C^{-1}\)。
電束密度\(\boldsymbol D\)…単位面積あたりの電束で、単位は\(\text C\cdot\text m^{-2}\)。源場であり、閉曲面内の真電荷の総和\(Q_{\text f}\)を用いてガウスの法則
で定義される。式(1)を解くと、位置\(\boldsymbol r_0\)に存在する真電荷\(Q_{\text f}\)が位置\(\boldsymbol r\)に作る電束密度\(\boldsymbol D\)は
となる。
分極\(\boldsymbol P\)…誘電分極の分極の度合いを表し、単位は\(\text C\cdot\text m^{-2}\)。閉曲面内の分極電荷の総和\(Q_{\text b}\)を用いてガウスの法則
で定義される。
電場\(\boldsymbol E\)…単位面積あたりの電気力線で、単位は\(\text N\cdot\text C^{-1}\)。力場であり、次式
で定義される。式(2)と式(7)より、位置\(\boldsymbol r_0\)に存在する真電荷\(Q_{\text f}\)が位置\(\boldsymbol r\)に作る電場\(\boldsymbol E\)は
となる。
構成方程式…電束密度\(\boldsymbol D\)と電場\(\boldsymbol E\)を分極\(\boldsymbol P\)で結び付ける式。
誘電率\(\epsilon\)…誘電体の誘電分極のしやすさを表し、電束密度\(\boldsymbol D\)と電場\(\boldsymbol E\)を結び付ける。
電気感受率\(\chi_{\text e}\)…誘電体の誘電分極のしやすさを表し、分極\(\boldsymbol P\)と電場\(\boldsymbol E\)を結び付ける。
クーロンの法則…位置\(\boldsymbol r\)に電荷\(q\)、位置\(\boldsymbol r_0\)に電荷\(Q\)が存在するとき、電荷\(q\)には次のクーロン力が働く。
電気双極子…大きさの等しい正負の電荷対。
電気双極子モーメント\(\boldsymbol p\)…負電荷から正電荷に向かうベクトル\(\boldsymbol d\)と電荷の大きさ\(q\)を用いて
と表される。また、分極\(\boldsymbol P\)と電気双極子モーメント\(\boldsymbol p\)の関係は次のようになる。
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