ストークスの定理

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 本ページでは、回転の面積分をベクトル場の線積分に結び付けるストークスの定理

\begin{align*}\int_S (\boldsymbol \nabla×\boldsymbol f)\cdot d\boldsymbol S=\int_C \boldsymbol f\cdot d\boldsymbol l\end{align*}

を導出する。

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 前ページでは、発散\(\nabla\cdot \boldsymbol f\)の体積積分を流束密度\(\boldsymbol f\)の面積分に結び付ける発散定理

\begin{align*}\int_V \nabla\cdot \boldsymbol f\ dxdydz=\int_S \boldsymbol f\cdot d\boldsymbol S\end{align*}

を導出した。

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内容

ストークスの定理

 あるベクトル場\(\boldsymbol f\)が与えられたとき、閉曲線\(C\)に囲われた曲面\(S\)を考える。

 回転ベクトル\(\boldsymbol\nabla×\boldsymbol f\)の向きは「微小循環密度が最大となる微小面積の法線の向き」で大きさは「最大となる微小循環密度の大きさ」である(以前のページを参照)。そのため、大きさが微小面積\(dS\)の値に等しく、向きが微小面積\(dS\)の法線の向きに等しい面積素\(d\boldsymbol S\)を考えたとき、回転ベクトル\(\boldsymbol\nabla×\boldsymbol f\)と面積素\(d\boldsymbol S\)の内積

\begin{align*}(\boldsymbol \nabla×\boldsymbol f)\cdot d\boldsymbol S\tag{1}\end{align*}

は微小面積\(dS\)における循環となる。また、曲面\(S\)においてこの内積の面積分

\begin{align*}\int_S (\boldsymbol \nabla×\boldsymbol f)\cdot d\boldsymbol S\tag{1}\end{align*}

は曲面\(S\)における循環となる。なぜなら、隣あった微小面積を考えたとき、境界線部分におけるそれぞれの循環の符号は逆であり、互いに打ち消し合うため、曲面\(S\)における面積分は曲面\(S\)を作る閉曲線\(C\)に沿った循環となる。

 一方、大きさが微小面距離\(dl\)の値に等しく、向きが微小距離\(dl\)の接線の向きに等しい線素\(d\boldsymbol l\)を考えたとき、ベクトル場\(\boldsymbol f\)と線素\(d\boldsymbol S\)の内積の線積分

\begin{align*}\int_C \boldsymbol f\cdot d\boldsymbol l\tag{2}\end{align*}

は循環を表す。これは、循環の定義であった(以前のページを参照)。

 式(1)と式(2)はどちらも曲面\(S\)における循環を表すため、次の式

\begin{align*}\int_S (\boldsymbol \nabla×\boldsymbol f)\cdot d\boldsymbol S=\int_C \boldsymbol f\cdot d\boldsymbol l\tag{3}\end{align*}

が成り立つ。この式は、回転の面積分をベクトル場の線積分に結び付けており、これをストークスの定理と呼ぶ。

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