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本ページでは…
本ページでは、構成方程式
を求め、源場である電束密度\(\boldsymbol D\)と力場である電場\(\boldsymbol E\)の関係が分極\(\boldsymbol P\)を介して得られることを確認する。
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前ページでは、源場である電束密度\(\boldsymbol D\)と力場である電場\(\boldsymbol E\)が誘電率\(\epsilon\)を用いて次の関係
があり、特に真空状態では真空の誘電率\(\epsilon_0\)を用いて
となることを見た。
内容
分極
真電荷が作る電束密度\(\boldsymbol D\)は、真電荷の総和\(Q_{\text f}\)を用いて次のガウスの法則
を満たすように定義されていた。同様に、分極電荷が作る分極\(\boldsymbol P\)と呼ばれる量を、分極電荷の総和\(Q_{\text b}\)を用いて次のガウスの法則
で定義する。分極\(\boldsymbol P\)の単位は電束密度\(\boldsymbol D\)と同様に\(\text C\cdot\text m^{-2}\)である。
電束密度\(\boldsymbol D\)の定義と異なり分極\(\boldsymbol P\)の定義でマイナスが付いている理由については、後のページを参照。
構成方程式
真空状態において、真電荷が作る電束密度\(\boldsymbol D\)と電場\(\boldsymbol E_0\)の関係は
であった(前ページを参照)。また、分極電荷が作る電場\(\boldsymbol E_{\text p}\)は次のガウスの法則
を満たすため、式(2)より分極電荷が作る電場\(\boldsymbol E_{\text p}\)は
となる。先ほど確認したが、電束密度\(\boldsymbol D\)と分極\(\boldsymbol P\)の定義でベクトルの向きが真逆であるため、式(5)の右辺にマイナスが付いている。
力場である電場\(\boldsymbol E\)は、電束密度が作る電場\(\boldsymbol E_0\)と分極が作る電場\(\boldsymbol E_{\text p}\)との重ね合わせて表現でき、
となる。
式(6)を変形した式
を構成方程式といい、源場である電束密度\(\boldsymbol D\)と力場である電場\(\boldsymbol E\)の関係が分極\(\boldsymbol P\)を介して得られることが分かる。
電気感受率
電束密度\(\boldsymbol D\)と電場\(\boldsymbol E\)の関係(前ページを参照)
と構成方程式(7)より、次の関係
が得られ、電気感受率\(\chi_{\text e}\)
を定義すると
と分極\(\boldsymbol P\)が表される。つまり、ある分極\(\boldsymbol P\)が生じたとき、電場\(\boldsymbol E\)との関係は電気感受率\(\chi_{\text e}\)を用いて式(11)で表される。
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