HOME > 電磁気学 > 静磁場 > 構成方程式(磁束密度と磁場、E-H対応)
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本ページでは…
本ページでは、構成方程式
を求め、源場である電束密度\(\boldsymbol D\)と力場である電場\(\boldsymbol E\)の関係が分極\(\boldsymbol P\)を介して得られることを確認する。
前ページまで…
前ページでは、源場である磁場\(\boldsymbol H\)と力場である磁束密度\(\boldsymbol B\)が透磁率\(\mu\)を用いて次の関係
があり、特に真空状態では真空の透磁率\(\mu_0\)を用いて
となることを見た。
内容
磁気分極
E-H対応(以前のページを参照)において、真磁荷が作る磁束密度\(\boldsymbol B\)は、真磁荷の総和\(Q_{\text{mf}}=0\)を用いて次のガウスの法則
を満たすように定義されていた。同様に、分極磁荷が作る磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)と呼ばれる量を、分極磁荷の総和\(Q_{\text{mb}}\)を用いて次のガウスの法則
で定義する。磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)の単位は磁束密度\(\boldsymbol B\)と同様に\(\text {Wb}\cdot\text m^{-2}\)である。
磁束密度\(\boldsymbol B\)の定義と異なり磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)の定義でマイナスが付いている理由については、後のページを参照。
構成方程式
これより、E-H対応(以前のページを参照)における構成方程式を求める。真空状態において、真磁荷が作る磁束密度\(\boldsymbol B\)と磁場\(\boldsymbol H_0\)の関係は
であった(前ページを参照)。また、分極磁荷が作る磁場\(\boldsymbol H_{\text p}\)は次のガウスの法則
を満たす(前々ページを参照)ため、式(2)より分極磁荷が作る磁場\(\boldsymbol H_{\text p}\)は
となる。先ほど確認したが、磁束密度\(\boldsymbol H\)と磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)の定義でベクトルの向きが真逆であるため、式(5)の右辺にマイナスが付いている。
力場である磁場\(\boldsymbol H\)は、磁束密度が作る磁場\(\boldsymbol H_0\)と磁気分極が作る磁場\(\boldsymbol H_{\text p}\)との重ね合わせて表現でき、
となる。
式(6)を変形した式
を構成方程式といい、源場である磁束密度\(\boldsymbol B\)と力場である磁場\(\boldsymbol H\)の関係が磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)を介して得られることが分かる。
磁気感受率
磁場\(\boldsymbol H\)と磁束密度\(\boldsymbol B\)の関係(前ページを参照)
と構成方程式(7)より、次の関係
が得られ、磁気感受率(または磁化率)\(\chi_{\text m}\)
を定義すると
と磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)が表される。つまり、ある磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)が生じたとき、磁場\(\boldsymbol H\)との関係は磁気感受率\(\chi_{\text m}\)を用いて式(11)で表される。
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