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本ページでは、E-H対応における静磁場の理論で登場した各単語について説明をまとめる。
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前ページでは、E-H対応において、静電場と静磁場の類似点も相違点について述べた。
内容
静磁場まとめ
真磁荷…自由に移動したり外部に取り出したりできる磁荷。単位はウェーバ\(\text {Wb}\)。
分極磁荷…束縛磁荷ともいう。自由に移動したり外部に取り出したりできない磁荷。単位はウェーバ\(\text {Wb}\)。
源場…真磁荷が作る場。
力場…磁荷に力を与える場。
磁束…真磁荷のみから出る仮想的な線。単位はウェーバ\(\text {Wb}\)。
磁気力線…真磁荷と分極磁荷から出る仮想的な線。単位は\(\text N\text m^2\cdot\text {Wb}^{-1}\)。
磁束密度\(\boldsymbol B\)…単位面積あたりの磁束で、単位は\(\text {Wb}\cdot\text m^{-2}\)。源場であり、ガウスの法則
で定義される。式(1)を解くと、位置\(\boldsymbol r_0\)に存在する真磁荷\(Q_{\text {mf}}\)が位置\(\boldsymbol r\)に作る磁束密度\(\boldsymbol B\)は
となる。
磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)…磁化の分極の度合いを表し、単位は\(\text {Wb}\cdot\text {m}^{-2}\)。閉曲面内の分極磁化の総和\(Q_{\text {mb}}\)を用いてガウスの法則
で定義される。
磁場\(\boldsymbol H\)…単位面積あたりの磁気力線で、単位は\(\text N\cdot\text {Wb}^{-1}\)。力場であり、次式
で定義される。式(2)と式(7)より、位置\(\boldsymbol r_0\)に存在する真磁荷\(Q_{\text {mf}}\)が位置\(\boldsymbol r\)に作る磁場\(\boldsymbol H\)は
となる。
構成方程式…磁束密度\(\boldsymbol B\)と磁場\(\boldsymbol H\)を磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)で結び付ける式。
透磁率\(\mu\)…磁性体の磁化のしやすさを表し、磁束密度\(\boldsymbol B\)と磁場\(\boldsymbol H\)を結び付ける。
磁気感受率\(\chi_{\text m}\)…磁性体の磁化のしやすさを表し、磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)と磁場\(\boldsymbol H\)を結び付ける。
クーロンの法則…位置\(\boldsymbol r\)に磁荷\(q_{\text m}\)、位置\(\boldsymbol r_0\)に磁荷\(Q_{\text m}\)が存在するとき、電磁荷\(q_{\text m}\)には次のクーロン力が働く。
磁気双極子…大きさの等しい正負の磁気対。
磁気双極子モーメント\(\boldsymbol p\)…負磁荷から正磁荷に向かうベクトル\(\boldsymbol d\)と磁荷の大きさ\(q_{\text m}\)を用いて
と表される。また、磁気分極\(\boldsymbol P_{\text m}\)と磁気双極子モーメント\(\boldsymbol p_{\text m}\)の関係は次のようになる。
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次ページでは、自由電流は外部に取り出せる電流であるが、磁化電流は外部に取り出せない電流であることを確認する。