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本ページでは、波面(\(\varPsi\)が一定の面)が平行に並ぶ波である平面波の中で、実数から構成される「実数平面波」の一般的な例を見る。
内容
実数平面波とは
平面波とは、波面(\(\varPsi\)が一定の面)が平行に並ぶ波のことをいい、波面が同心球状に並ぶ波である球面波と異なる。平面波には、実数から構成される実数平面波と、複素数から構成される複素平面波があり、本ページでは実数平面波にフォーカスを当てる。
1次元の実数平面波
はじめに、1次元の実数平面波を考える。例としては弦の振動があり、式は次の形をしている。
ここで、\(a\)は振幅で、\(\boldsymbol k\)は波数ベクトル、\(\omega\)は角振動数、\(\delta\)は位相項である。また、\(\boldsymbol q\)は1次元における位置ベクトルであり、波数ベクトル\(\boldsymbol k\)は「大きさ」が波の波数\(k\)で「方向」が波の進行方向のベクトルである。そして、\(k_{\scriptsize x}\)は波数ベクトル\(\boldsymbol k\)の\(x\)成分である。
式の妥当性
ここで、実数平面波の式(1)の妥当性を確認してみる。\(\cos\)関数は\(2\pi\)の周期を持つため、空間\(x\)方向においては\(\frac{2\pi}{k_{\scriptsize x}}\)毎に同じ値が繰り返される。波数\(k_{\scriptsize x}\)は長さ\(2\pi\)当たりの波の数を表すため、\(\frac{k_{\scriptsize x}}{2\pi}\)は単位長さ当たりの波の数を表し、逆数の\(\frac{2\pi}{k_{\scriptsize x}}\)は波\(1\)つ当たりの長さを表す波長\(\lambda\)
に相当する。波長\(\lambda\)毎に\(\varPsi\)が同じ値を繰り返すことは、波の性質をしっかりと表している。
次に、時間\(t\)方向においては\(\frac{2\pi}{\omega}\)毎に同じ値が繰り返される。角振動数\(\omega\)は単位時間当たりの角度変化量を表すため、\(\frac{\omega}{2\pi}\)は単位時間当たりの波の数を表す振動数\(\nu\)に等しく
、振動数の逆数の\(\frac{1}{\nu}=\frac{2\pi}{\omega}\)は波1つ当たりの時間を表す周期\(T\)
に相当する。周期\(T\)毎に\(\varPsi\)が同じ値を繰り返すことも、波の性質をしっかりと表している。
式(1)の平面波の速さ\(u\)に関しては、単位時間当たりの波の数を表す振動数\(\nu\)に、波\(1\)つ当たりの長さを表す波長\(\lambda\)を掛ければ良いため、
となる。
2次元・3次元の実数平面波
最後に、2次元と3次元の実数平面波を考える。2次元の平面波の例としては膜の振動があり、3次元の平面波の例としては場の振動がある。そして、位置ベクトルの\(\boldsymbol q\)を用いると、2次元の実数平面波の式は
となり、3次元の実数平面波の式は
となる。ここで、\(k_{\scriptsize x}\)、\(k_{\scriptsize y}\)、\(k_{\scriptsize z}\)は波数ベクトル\(\boldsymbol k\)の\(x\)、\(y\)、\(z\)成分である。
次ページから⋯
次ページでは、速さ\(u\)の実数平面波の式(7)から出発し、平面波に限らず、速さ\(u\)のどのような波動(球面波など)でも従う波動方程式を導出する。
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