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正準交換関係

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本ページでは…

 本ページでは、位置演算子\(\hat q_i\)と運度量演算子\(\hat p_j\)とが満たす交換関係である正準交換関係

\begin{align} [\hat{q_i},\ \hat{p_j}]=i\hbar\delta_{ij}\end{align}

と、関連する交換関係

\begin{align}[\hat{q_i},\ \hat{q_j}]=[\hat{p_i},\ \hat{p_j}]=0\end{align}

求める。

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以前のページで、時間に依存するシュレーディンガー方程式

\begin{align*}i\hbar\frac{\partial}{\partial t} \varPsi=\hat H\Psi\tag{1}\end{align*}

を導き、ハミルトニアン\(\hat H\)の具体的な形は、ハミルトニアン\(H\)の一般化座標\(q_i\)と運動量\(p_i\)を次の演算子の形に変換して求めた。

\begin{align*}\hat {q}_i &=q_i\tag{2}\\\hat {p}_i&=-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_i}\tag{3}\end{align*}

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内容

交換関係とは

 普通の数は掛ける順序を逆にしても値は同じだが、演算子は必ずしもそうとは限らない。掛ける順序を逆にしても値が変わらないとき可換であるといい、値が変わるとき非可換であるという。

 2つの演算子\(\hat A\)と\(\hat B\)の掛ける順序を入れ替えたものの差\(\hat A\hat B-\hat B \hat A\)を、交換子と呼ばれる次の記号\([\hat A,\hat B]\)で定義

\begin{align*}\hat A\hat B-\hat B \hat A=[\hat A,\hat B]\tag{4}\end{align*}

し、差と交換子の関係性を交換関係と呼ぶ。2つの演算子が可換であるときは交換子はゼロに等しいが、非可換であるときはゼロ以外の値をもつ。

正準交換関係の導出

 特別な交換関係として、正準変数である一般化座標\(q_i\)と一般化運動量\(p_i\)を演算子にしたものの交換関係を正準交換関係と呼ぶ。

\begin{align*}\hat q_i\hat p_i-\hat p_i \hat q_i=[\hat q_i,\hat p_i]\tag{5}\end{align*}

 正準変数である一般化座標\(q_i\)と一般化運動量\(p_i\)を演算子の形で表すと

\begin{align}\hat{q_i}&=q_i\tag{2}\\\hat{p_i}&=-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_i}\tag{3}\end{align}

であるため、これらを用いて正準交換関係の具体的な形を求める。波動関数\(\varPsi\)に交換子が作用すると仮定すると

\begin{align}[\hat{q_i},\ \hat{p_j}]\varPsi &=\left[q_i,\ -i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\right]\varPsi\\&=q_i\left(-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\varPsi\right)+i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\left(q_i\varPsi\right)\\&=q_i\left(-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\varPsi\right)+i\hbar\varPsi\frac{\partial }{\partial q_j}q_i+i\hbar q_i\frac{\partial }{\partial q_j}\varPsi\\&=i\hbar\delta_{ij}\varPsi\tag{6}\end{align}

となるため、 正準交換関係の具体的な形が次のように求められる。

\begin{align} [\hat{q_i},\ \hat{p_j}]=i\hbar\delta_{ij}\tag{7}\end{align}

ここで、\(\delta\)はクロネッカーのデルタと呼ばれ、2つの添字が同じ時は\(1\)となり、異なる時は\(0\)となる。

\begin{align*}\delta_{ij}&=0\ \ \ \ (i=j)\\\delta_{ij}&=1\ \ \ \ (i\neq j)\tag{8}\end{align*}

 自由度の異なる一般化座標\(q_i\)同士または一般化運動量\(p_i\)同士の交換関係については、どちらも可換である。

\begin{align}[\hat{q_i},\ \hat{q_j}]\varPsi &=\left[q_i,q_j\right]\varPsi\\&=q_iq_j\varPsi+q_jq_i\varPsi\\&=0\tag{9}\end{align}

\begin{align}[\hat{p_i},\ \hat{p_j}]\varPsi &=\left[-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_i},-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\right]\varPsi\\&=-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_i}\left(-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\right)\varPsi-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_j}\left(-i\hbar\frac{\partial }{\partial q_i}\right)\varPsi\\&=0\tag{10}\end{align}

そのため交換関係は次の形になる。

\begin{align}[\hat{q_i},\ \hat{q_j}]=[\hat{p_i},\ \hat{p_j}]=0\tag{11}\end{align}

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次ページから⋯

次ページでは、ハミルトン力学のポアソン括弧

\begin{align}\left\{q_i,p_j\right\}&=\delta_{ij}\\\left\{q_i,q_j\right\}&=\left\{p_i,p_j\right\}=0\end{align}

と量子力学の正準交換関係

\begin{align} [\hat q _i,\ \hat p_j]&=i\hbar\delta_{ij}\\ [\hat q_i,\ \hat q_j]&=[\hat p_i,\ \hat p_j]=0\end{align}

との類似性を確認し、ポアソン括弧の正準交換関係への置換えを原理とする正準量子化について調べていく。


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