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エルミート多項式の直交関係

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 本ページでは、量子力学で現れるエルミート多項式の直交関係

\begin{align*}\int_{-\infty}^{\infty}H_{n}( x )H_{m}( x )e^{-x^2}\text{d}x=2^n\sqrt{\pi}n!\delta_{nm}\end{align*}

を求める。

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 前ページでは、エルミート多項式\(H_{n}( x )\)の母関数表示

\begin{align}EG(H_{n}( x );t)&=\sum ^{\infty}_{n=0}H_{n}( x )\frac{t^n}{n!}\\&=e^{-t^2+2xt}\end{align}

と、エルミート多項式を生成するロドリゲスの公式

\begin{align*}H_{n}(x)=(-1)^ne^{x^2}\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\end{align*}

を求めた。

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内容

エルミート多項式の直交関係

 今回は、量子力学の「調和振動子におけるシュレーディンガー方程式」を解く際に現れるエルミート多項式の直交関係を見る。このときの直交関係は

\begin{align*}\int_{-\infty}^{\infty}H_{n}( x )H_{m}( x )e^{-x^2}\text{d}x=2^n\sqrt{\pi}n!\delta_{nm}\tag{1}\end{align*}

である。2つのエルミート多項式の積の順は自由に交換出来るため、以後、\(m\leqq n\)とする。

三項間の漸化式

 直交関係(1)を導くためには三項間の漸化式

\begin{align*}xH_{n}( x )=nH_{n-1}( x )+\frac{1}{2}H_{n+1}( x )\tag{2}\end{align*}

を用いる必要がある。そこで、この漸化式を求めてみる。エルミート多項式を生成するロドリゲスの公式

\begin{align*}H_{n}(x)=(-1)^ne^{x^2}\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\tag{3}\end{align*}

を\(x\)について一階微分および二階微分すると

\begin{align*}&\frac{\text{d}}{\text{d}x}H_{n}(x)=(-1)^n\left\{2xe^{x^2}\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}-e^{x^2}\frac{\text{d}^{n+1}}{\text{d}x^{n+1}}e^{-x^2}\right\}\\&=2xH_{n}(x)-H_{n+1}(x)\tag{4}\end{align*}

\begin{align*}&\\frac{\text{d}^2}{\text{d}^2x}H_{n}(x)&=2H_n(x)+2x{\text{d}}{\text{d}x}H_{n}(x)-{\text{d}}{\text{d}x}H_{n+1}(x)\\&=(4x^2+2)H_n(x)-4xH_{n+1}(x)+H_{n+2}(x)\tag{5}\end{align*}

となり、エルミートの微分方程式

\begin{align*}\frac{\text d^{2}}{\text dx^{2}}H_{n}(x)-2x\frac{\text d}{\text dx}H_{n}(x)+ 2nP_{l}( x)=0\tag{6}\end{align*}

に代入すると

\begin{align*}2(n+1)H_{n}(x)-2xH_{n+1}(x)+H_{n+2}(x)=0\tag{7}\end{align*}

が得られる。そして、\(n\)を\(n-1\)に置き変えると、三項間の漸化式

\begin{align*}xH_{n}( x )=nH_{n-1}( x )+\frac{1}{2}H_{n+1}( x )\tag{2}\end{align*}

が得られる。

直交関係の導出

 三項間の漸化式が得られたので、直交関係(1)を導出する。はじめに、直交関係式(1)の左辺にロドリゲスの公式

\begin{align*}H_{n}(x)=(-1)^ne^{x^2}\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\tag{8}\end{align*}

を代入すると

\begin{align*}&\int_{-\infty}^{\infty}H_{n}( x )H_{m}( x )e^{-x^2}\text{d}x\\&=(-1)^n\int_{-\infty}^{\infty}H_{m}( x )\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\text{d}x\\&=(-1)^n\left\{\left[H_{m}( x )\frac{\text{d}^{n-1}}{\text{d}x^{n-1}}e^{-x^2}\right]^\infty_{-\infty}-\int_{-\infty}^{\infty}\left(\frac{\text{d}}{\text{d}x}H_{m}( x )\right)\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\right\}\\&=(-1)^{n+1}\int_{-\infty}^{\infty}\left(\frac{\text{d}}{\text{d}x}H_{m}( x )\right)\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\\&=(-1)^{n+1}2m\int_{-\infty}^{\infty}H_{m-1}( x )\frac{\text{d}^{n}}{\text{d}x^{n}}e^{-x^2}\\&=(-1)^{n+m}2^mm!\int_{-\infty}^{\infty}H_{0}( x )\frac{\text{d}^{n-m}}{\text{d}x^{n-m}}e^{-x^2}\tag{9}\end{align*}

と計算できる。

※※※式(9)において、2つ目の等号では部分積分を行ない、3つ目の等号では\(e^{-x^2}\)が無限遠でゼロになることを用い、4つ目の等号では式(4)に三項間の漸化式を代入して得られる次の関係

\begin{align*}\frac{\text{d}}{\text{d}x}H_{m}(x)=2mH_{m-1}(x)\tag{10}\end{align*}

を用い、5つ目の等号では以上の操作を\(m\)回繰り返した。

1点注意だが、\(n\text{<}m\)のとき\(\frac{\text{d}^{n-m}}{\text{d}x^{n-m}}\)の計算ができないため、初めに\(m\leqq n\)と置いた。

\(n \neq m\)のとき

 \(m\leqq n\)であるから、\(n\neq m\)のときは\(n\text{<}m\)となり、式(9)は次のように部分積分

\begin{align*}&\int_{-\infty}^{\infty}H_{n}( x )H_{m}( x )e^{-x^2}\text{d}x\\&=(-1)^{n+m}2^mm!\int_{-\infty}^{\infty}H_{0}( x )\frac{\text{d}^{n-m}}{\text{d}x^{n-m}}e^{-x^2}\\&=(-1)^{n+m}2^mm!\left[\frac{\text{d}^{n-m-1}}{\text{d}x^{n-m-1}}e^{-x^2}\right]_{-\infty}^{\infty}\\&=0\tag{11}\end{align*}

でき、異なる次数のエルミート多項式は互いに直交することがわかる。

※※※式(11)において、2つ目の等号では\(H_0(x)=1\)を用いて部分積分を行ない、3つ目の等号では\(e^{-x^2}\)が無限遠でゼロになることを用いた。※※※

\(n=m\)のとき

 式(9)において、\(n=m\)とすると

\begin{align*}&\int_{-\infty}^{\infty}H_{n}( x )H_{n}( x )e^{-x^2}\text{d}x\\&=2^nn!\int_{-\infty}^{\infty}e^{-x^2}\\&=2^nn!\sqrt{\pi}\tag{12}\end{align*}

となり、同一次数のエルミート多項式は直交することが分かる。

※※※式(12)において、2つ目の等号ではガウス積分

\begin{align*}\int_{-\infty}^{\infty}e^{-x^2}=\sqrt{\pi}\tag{13}\end{align*}

を用いた。※※※

直交関係のまとめ

 式(11)と式(12)をまとめると、

\begin{align*}\int_{-\infty}^{\infty}H_{n}( x )H_{m}( x )e^{-x^2}\text{d}x=2^n\sqrt{\pi}n!\delta_{nm}\tag{1}\end{align*}

が得られる。

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 次ページでは、ルジャンドルの微分方程式の解であるルジャンドル多項式を求める。


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