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世界線のパラメーター付け替え不変性

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 本ページでは、世界線を導く相対論的な作用\(S\)

\begin{align*}S=-mc\int ds\end{align*}

がパラメーター付け替え不変性を持つことを調べる。

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 前ページでは、世界線を導く相対論的な作用\(S\)が

\begin{align*}S=-mc\int ds\tag{1}\end{align*}

となって、静止エネルギー\(mc^2\)に固有時\(\frac{\int ds}{c}\)を掛けて負号をつけた形、あるいは世界距離\(\int ds\)に\(mc\)を掛けて負号をつけた形になることを確認した。

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内容

パラメーター付け替え不変性とは、どのようなパラメーター付けでも形が変わらない性質をいう。世界線に沿って始点から終点にパラメーター\(\tau\)を付けた際に、世界線の作用\(S\)がパラメーター付け替え不変性を持つことを見る。不変距離の二乗\(ds^2\)は、計量\(\eta_{\mu\nu}\)

\begin{align*}\eta_{\mu\nu}=\left(\begin{array}{c}1&0&0&0\\0&-1&0&0\\0&0&-1&0\\0&0&0&-1\end{array}\right)\tag{2}\end{align*}

と時空座標の微小量\(dx^\mu\)

\begin{align*}dx^\mu&=(dx^0,dx^1,dx^2,dx^3)\tag{3}\end{align*}

を用いると

\begin{align*}(ds)^2&=\eta_{\mu\nu}dx^\mu dx^\nu\tag{4}\end{align*}

と表せる。よって、世界距離\(ds\)は

\begin{align*}ds&=\sqrt{\eta_{\mu\nu}dx^\mu dx^\nu}\tag{5}\end{align*}

となる。もし、世界線を表す時空座標\(x^\mu\)がパラメーター\(\tau\)で表される時、

\begin{align*}dx^\mu=\frac{dx^\mu}{d\tau}d\tau\tag{6}\end{align*}

が成り立つため、世界距離\(ds\)はパラメーター\(\tau\)を用いて

\begin{align*}ds=\sqrt{\eta_{\mu\nu}\frac{dx^\mu}{d\tau}\frac{dx^\nu}{d\tau}}d\tau\tag{7}\end{align*}

となり、作用\(S\)は

\begin{align*}S=-mc\int \sqrt{\eta_{\mu\nu}\frac{dx^\mu}{d\tau}\frac{dx^\nu}{d\tau}}d\tau\tag{8}\end{align*}

と表せる。もし、パラメーター\(\tau’\)を選択した時は

\begin{align*}\frac{dx^\mu}{d\tau}=\frac{dx^\mu}{d\tau’}\frac{d\tau’}{d\tau}\tag{9}\end{align*}

となるため、作用\(S\)は

\begin{align*}S&=-mc\int \sqrt{\eta_{\mu\nu}\frac{dx^\mu}{d\tau’}\frac{dx^\nu}{d\tau’}}\frac{d\tau’}{d\tau}d\tau\\&=-mc\int \sqrt{\eta_{\mu\nu}\frac{dx^\mu}{d\tau’}\frac{dx^\nu}{d\tau’}}d\tau’\tag{10}\end{align*}

となって、パラメーターを付け替えても作用\(S\)は不変であることが分かる。


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